恩讐の彼方に
- 2019.08.08 Thursday
- 09:56
菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」。
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自らの主人の愛人と通じた市九郎は、主人に手討ちされそうになり逆に主人を殺してしまいました。
市九郎は主人の愛人と逃亡し、美人局や泥棒、殺人請負などで生業を立てていましたが、愛人の非情な考え方に嫌気がさし、出家をし罪滅ぼしの旅にでます。
道中で、何人も人が事故で亡くなった難所の山道を改良しようと考えました。
20年ほどもその工事に携わった市九郎のもとに、殺した主人の息子が仇討に現れました。
市九郎は殺されることは仕方がないと覚悟しましたが、工事に協力してくれている人々に助けられました。
そして討たれるのは工事が完了するまで待ってもらうことになりました。
そして工事が完成した時、息子は市九郎の行動に感動し恩讐の心は消え、市九郎にすがって涙を流しました。
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誰でも殺したいほど憎い人間がいるはずです。
実際に殺人事件の動機の約6割は、憤懣、激情、報復、痴情といった恨みによるものです。
日本に植民地にされた韓国、長年戦争をしてきた中国の国民の中には、日本に対して恨みを持っている人もいるんだろうと思います。
でも殆どの中韓の人々は、恩讐を超えて日本と交流するだけでなく、親日感を持つ人もいます。
日本人も親韓、親中の人が沢山いました。ほとんどの人がそうだったと思います。
冬ソナ、ワールドカップの日韓共同開催などでも良い関係を構築してきました。
そんな中での現在の日韓問題。
両国民の意識調査でも、反韓、反日が増えています。
でも、それを煽ってきたのが両国の一部の政治家。
政治家に煽られて、メディアもそれに乗って国民の多くもそんな感情を持つようになってしまいました。
ここ20年ほど、韓国では反日の指導者が多く出現しました。
我が国はこれまでそんな韓国に対して寛容の精神で接してきましたが、自民党の清話会が主流を占めるようになり、そして安倍が首相になってからはそんな韓国に対して強硬に反発するようになってしまいました。
「いつまでわが国民は韓国に対して謝り続けなければならないのか」
安部が首相になってしばらくしてからそんな言葉も発しました。
そんな安倍を支持するどころか信望する国民も増えました。
現在の日韓関係の悪化の原因が安部にあるのは明らかです。
歴史を振り返ると、15世紀から始まった白人国家による大航海時代と美化された有色人種国への侵略があり、その後も侵略はますます激しくなりました。
我が国もそんな侵略に晒されました。
他の有色人種国よりも優秀だった日本は、白人国家と対等に戦い、他のアジア諸国を侵略したこともありました。
でも結果は、空襲、原爆によって民間人を大量虐殺され、白人国家の支配下に置かれてしまいます。
現在でも、我が国は安部の祖父の岸信介が強行採決した改正安保、その後の日米地位協定、日米合同会議の下で米国の支配下に置かれたままです。
そんな我が国にもどかしさを覚え、韓国に対しては強硬姿勢を見せるけど米国に対して卑屈なまで隷属をする安部に腹立たしさを覚えます。
それらは我が国が真の独立国となる為にはなんとしてでも解決しなければなりません。
最大の被害者である沖縄国民は今でも命を懸けて戦ってします。
その一方で、国民のレベルでは過去のことは恩讐の彼方に追いやって未来を志向し、平和な世界を目指さなければなりません。
我々国民は、それらを実現してくれる政治家を選ばなければなりません。
一昨年、オバマ氏が広島を訪れて平和に向けたスピーチをしてくれた時にはとても感動しました。
その際に、「恩讐の彼方に」のストーリーを思い出しました。
安部も少しはオバマ氏に啓発されるのかもと期待しました。
だから今の日韓関係悪化には本当にがっかりしています。
実質清話会の小泉進次郎氏の美人アナとの結婚のニュースに浮かれている時ではありません。
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