「ロゴス」「エトス」「パトス」
- 2019.06.12 Wednesday
- 21:45
アリストテレスは、本当の意味で人を説得して行動を変えさせるためには「ロゴス(論理性)」「エトス(倫理性)」「パトス(情熱)」が必要だと説いています。
それは「弁論術(レトリック)」と言われます。
それに対してソクラテスは、真実に至る道は対話しかないと批判したそうです。
なぜならアリストテレスの言うところの弁舌(レトリック)は一見正しいように聞こえても、人心を誤らせることがあるからだそうです。
実際にヒトラーや、新興宗教の創始者なんかも弁論巧みに人を騙してとんでもないことをしたのだから、ソクラテスの言い分に軍配が上がりそうです。
国会で野党が与党の政策や行動を追求している姿を、見苦しいとか無駄だとか批判する人がいるけど、それはソクラテスのロジックからすると対話を否定するということだからダメっていうことになりそうです。
よく話題になる菅官房長官の記者会見時の東京新聞望月記者の執拗な質問に対して、これを封殺しようとする政府・自民党もやってはならないことをやっているということになりますね。
政治家に限らず、誰かが一人で演説をすると自分だけでロジックを組み立てるので、一見良いことを言っているように思ってしまいがちですが、「パトス(熱弁)」に隠れてとんでもない「ロゴス(論理性)」があることも多い。
安部や麻生が一人で話しているのをよく聞いていると「ロゴス」が無茶苦茶なことがとても多い。
それでも彼らを支持する人が沢山いるということは、ロゴス以外のところで人々の心を捉えている部分もあるんでしょう。
だからこそ、野党の厳しい追及も必要なんだと思います。
蓮舫氏や枝野氏のちょっとエキセントリックな話し方に嫌悪感を覚える人もいるだろうし、彼らのロゴスにも矛盾がある場合もあるけど、やはり質疑(対話)は絶対に必要です。
そしてそれが民主主義というもの。
民主主義はとても面倒だけど、そんなステップがなければ「独裁」を許してしまうことになります。
安部友や右翼系のメディアなどで、金融庁レポートに対する野党の追及を無駄だ、見当外れだとする論調も見られるけど、そんな考え方自体も危険な匂いがします。
今日はヴォーカル教室。
先生の前で初めて「Hard Days Night」を歌いましたが、先生からの評価はボロボロ。
やはり英語の発音が全然できていないと指摘されました。
拍の取り方も加山雄三の歌い方だそうです。
なので1番だけを何度も歌い直し。
前回の発表会で歌った「夢の人」と比べてそれほどの早口言葉もないと思い込んでいたけど、やはり正確に英語の発音をしようとすると上手く旋律にはまらないところもあります。
更に、山の最高音部の発声も全然だめだと言われました。
レッスンはあたかも英会話教室の様になりましたが、英語の歌を歌うんだから仕方がありません。
本人が楽しければ、聞く人も楽しいだろうからそれで良いんだからという人もいるけど、英語が分かり音楽的耳のある人にも聴いてもらうんなら相手に歌詞の意味や作曲者の意図も十分伝えることができるようにしなければなりませんね。
そうでなければ聴いてくれる人との対話も成立しないんでしょうね。
今日のレッスンではそんなこともあって、アリストテレスとソクラテスの話を思い出してしまいました。
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